軽やかに職場に立つって難しいんだよなぁ
職務をしっかりと遂行をするために、必要な技能を習得していく。
それはそれは当たり前のことです。というか、そういう技能習得への渇望みたいなものがなければ、きっと仕事ってつまらないですよね。でも、その技能を獲得するための理由とか、技能を獲得していく「ぼく」はどんな人間で、どんなことを考えているのか、みたいなことと向き合うことってあんまり多くないと思っています。
自分の軸が定まっていないというか、なんというかぼやぼやしているなぁと思っているときにこんな本に出会いました。
向谷地生良さんの『技法以前』
べてるの家。というのを皆さんはご存知でしょうか?
向谷地さんは浦河べてるの家の理事を務めていらっしゃるソーシャルワーカーさんです。
つらさを抱えている当事者に、当事者意識をもってもらうために徹底しています。
本を手に取ってみると向谷地さんのユーモアとおだやかさがビシビシと伝わってくるのです。精神病という、ともすれば重く苦々しい問題を抱えがちな当事者に「一緒に研究しましょう!」と無神経的にも、誰かが気づいたら引いてしまった一線をズカズカと踏み越えていく。そんな軽やかさがこの本にあるのでした。
当事者が抱えている問題を、たとえば「爆発型エンターテイナー症候群」と名付けて、本人の外に置いてしまうとかね。
ぼくも人と関わる仕事に携わっています。そこにはいくつかの問題を抱えた方もいます。そういう人と関わっていると、自然とぼく自身も重く考え込んでしまいがちです。
この本を読んでいると、そんな自分とのコントラストが明確になり、胸がチリチリとしてくるのです。「うっ、こんなに軽やかに問題に対応できていないっ」と。
ぼくも、軽やかに問題解決できるようになりたいなぁ。