【書評】『すべての教育は「洗脳」である〜21世紀の脱・学校論〜』堀江貴文:劇薬のような本
すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論 (光文社新書)
- 作者: 堀江貴文
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2017/03/16
- メディア: 新書
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引用からスタートです。
でも 、自分で自分にブレ ーキをかけているのだ 。 「こんなの 、できっこない 」と 。どうしてわざわざ自分にブレ ーキをかけるのか ?答えは簡単だ 。 「学校 」でそう洗脳されたからである 。(位置872)
僕は教育に従事している人間です。だから言いますが、
控えめに言ってなかなかそのとおりです。
堀江さんは、学校が我慢させたり、没入できることを子供たちから奪うから、大人になってもやりたいことを見つけられなかったり、チャレンジできなかったりする人間がいるのだと言います。
堀江さんはおそらく伝統的な教室をイメージしているとおもいます。
社会が多様化し、変化が早くなってきている現代において、伝統的な教室は深刻な問題を抱えやすくなっています。
堀江さんの文脈で話すと、
子供たちは「学校のルール」と「教師の価値観」という二重の枠と二つの正しさを押し付けられながら、学校的な文脈において「正しさ」へと方向付けられていきます。
ここから逸れていく子供は逸脱行動をする子供とされます。
これは学校という大きすぎるシステムが、急速に発展していく情報社会と、多様化する生き方に追いつけていないからです。
今の伝統的な教育スタイルは戦後の教育改革がベースとなっているのですから、とっくに賞味期限が切れていますよ、ということです。それでも昨今の教育改革でつぎはぎをしながらなんとかやってきていますが、そろそろごまかしが効かないのではないように感じます。
「総合的な学習の時間」を活用できなかったときに、分水嶺を超えてしまっていると個人的には感じています。
オランダのイエナプランのように、異年齢集団を作り、学ぶ自由と学ばない自由を子供たちに保障した時に初めて、人間的な営みが生まれてくるんじゃないのかなぁと、ここ最近ずぅっと思っています。
おそらく僕が次に進んでいきたい方向はそっちなんだろうな、と。
かなりの劇薬
と、こんな風にメラメラと燃え上がらせてくれるのが、この本です。劇薬のような本です。伝わったかなぁ。